NPO法人とは「特定非営利活動法人」のこと。非営利=無償であるという意味ではない

スポンサーリンク
NPOのこと
この記事は約5分で読めます。
記事内にプロモーションが含まれています

わたしはNPO法人(特定非営利活動法人)に属しながら、個人事業主としてウェブサイト制作やライティングなどのお仕事をしています。

NPO法人に属していますよ、というと必ず聞かれるのが「非営利だからお金は払わなくてもいいんでしょ」です。

スポンサーリンク

非営利とは営利を求めない、という意味

特定非営利活動法人の文字の中にある「非営利」だけに着目され、なんでもタダで無料でやってもらえると考えられたり、言われたりします。

非営利の反対は営利、ですから、営利を打ち消す「非」という文字が大きく見えているんでしょうか。

ちなみに営利とは調べるとこんな風に書かれています。

営利事業(えいりじぎょう)とは、営利を目的とする事業。「営利」とは一般に利益を得ることを目的とする対外的活動をいうが、対外的活動によって得られた利益を構成員に分配することなどその他の要件を含むかに関しては議論があり国によっても考え方が異なる
引用 ウィキペディア「営利事業」

スポンサーリンク

特定非営利活動法人の「非営利」ってどういう意味?

実は、NPO法人に所属しているという人のなかでも、特定非営利活動法人というものがいったいどんなものなのかというのを語ることができる人はなかなかいません。

非営利とは、お金のやり取りをしないという意味ではない。営利を目的としない、社員に分配しないという意味。

この「非営利」の解釈が人によって異なるので、非営利ってことはお金はとらない、タダでやるってことでしょ?と言われることがあります。

営利を打ち消してますからね、そう取ってもおかしいことはないのですが、特定非営利活動法人に入っている非営利という言葉の意味は「営利を目的としない」という意味なのです。

組織等が事業を通じて得た利益をその組織等の構成員に分配しないということ意味のこと。決して「利益を得ない」という意味ではない。非営利とは-はてなキーワードから引用

非営利とは 一般の人気・最新記事を集めました - はてな
「非営利」とは - 組織等が事業を通じて得た利益をその組織等の構成員に分配しないということ意味のこと。決して「利益を得な…

つまり、事業を通じて得た利益を構成員(会員)に分配してはいけないという意味なのです。そして、この非営利という言葉の前に付いている「特定」にも大きな意味を持っています。

特定非営利活動法人の「特定」とは。決められた20の活動分野のことを指している

NPO法人(特定非営利活動法人)には20の活動分野があります。この20の活動分野が「特定されている」というのがこの「特定」の意味なのです。

つまり、特定非営利活動とは『20の特定された活動分野で利益を目的としていない活動』という意味なのです。

NPO法人をたちあげるときにはこの20の活動分野から自分たちが活動する目的に該当する分野を選択し認証を受けます。活動分野に沿った活動については利益に対して法人税が免除されることがありますが、分野外の活動をすれば法人税や利益に対する課税もされます。

けっして、利益を得てはいけないという意味で非営利という言葉がついているのではなく、自分たちが選択した活動分野内の活動で収益を得ることがいけないという意味でもありません。

ただ、収益を得ても会員で分配してはいけない、株はやったことがないのでこの例えが適切かどうかは分かりませんが、株主への分配のようなことをしてはいけないという意味だと思います。

特定非営利活動法人が収益を得た場合、そのお金はどこへいく?

すべての団体のことを言うのはおこがましいので、自分が所属する特定非営利活動法人の場合で書いていきます。

20の活動分野のうち、自分たちが選択した活動分野内で収益を得た場合、その活動を行うために必要なお金を支払います。

たとえば、事務所費とか光熱費とか。他にも事業を行う上で必要な人材に対して支払う報酬や給料も発生します。

よく言われるのが、このスタッフへの対価の支払いが分配に当たるのではないかというところです。

結論から言ってしまえば、分配には当たりません。活動目的として掲げたものを達成するために事業を行い、事業に必要な人材に対して対価を支払い、より活動を広げたり、深めたりしていきます。

ちなみに、NPO法人の役員(理事)に対しては、定款に役員手当の支払いについて示してあれば、手当を支払うことは可能です。

NPO法人は定款に書かれていることがすべて。社員の総意がなければ定款を変更することはできない

NPO法人というのは、定款に書かれていることが全てです。理事だけで定款を変更するということはできず、社員の総意がなければ変更することさえできません。また、定款の変更を社員が認めても、関係機関に定款を変更したという申請を出し、縦覧期間を経なければ変更が認められません。

特定非営利活動法人の「非営利」は決して対価を発生させてはいけないというものではない

特定非営利活動法人の「非営利」とは、対価を発生させてはいけないという意味ではありません。

実際、わたしが所属するNPO法人は任意団体からスタートしましたが、特定非営利活動法人の認証を受けるタイミングで数名が退会しました。たぶん、この「非営利」という言葉に「ただで働けっていう意味なの?」と疑念を持ったのだろうと思います。

NPO法人が日本に誕生してからすでに二十年ほどが経過していますが、未だにこの「非営利」という言葉が「無償で働く」という意味に捉えられている現実があります。

NPO法人はある社会課題に対し、自分たちが自発的に活動していく中で対価を得ることが目的ではなく、あくまでも課題解決に向けてサービスを提供し、その対価を得ることはできるのです。

なかなかそのあたりの理解が進まない現実にモヤモヤする気持ちがないわけではないですが、でも、そういう働き方もある、雇用の形もあるということをまとめの意味も込めて書いてみました。

タイトルとURLをコピーしました