PDFをIllustratorで開いたら「このドキュメントには再解釈されたpdfオブジェクトが含まれています」と表示された

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夜の10時くらいにLINEの通知音。こんな時間に何だ?と画面を確認すると、いきなりセミナーのお知らせがPDFで送られてきました。

セミナーに行かない?という誘いかと思っていると数分して「この場所に地図を入れたいんだけど地図描いてくれる?」と。この人からの「地図描いて」は今年に入って3回目。わたしはいつから地図描き屋さんになったんだろう…と思いながらも、この人の頼み事は断りづらいので、LINE→DropBoxにPDFファイルを送り、PCを立ち上げPDFファイルをIllustratorで開いてみたのですが…。

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PDFファイルをIllustratorで開こうとしたら「このドキュメントには再解釈されたPDFオブジェクトが含まれています」と表示された

すると、「このドキュメントには再解釈されたpdfオブジェクトが含まれています」という画面が開いてきました。中身を読むと「アピアランスを保持するため、一部のテキストがアウトライン化されました」となっています。

開くには開いたけれど…

OKボタンをクリックしてみるとPDFファイルを開くことはできたようなのですが、何か様子が変です。テキストをクリックしようとするとPDFファイルに配置されているすべてのものが選択されてしまうのです。

これはグループ化されているのかと思い、選択した状態で右クリックしてみるとグループ化の文字はない。代わりにあるのはクリッピングマスクの解除。とりあえずやってみようとクリッピングマスクを解除してみると、すべてのテキストがアウトライン化されていました(一部じゃないんかい!ってツッコミ)。

テキストがアウトライン化?

一旦、PDFファイルを閉じ、Acrobat DCで開いてみました。別に変わったところはありません。

フォントが埋め込まれているかを確認してみることにします。

Acrobat DCの「ファイル」をクリック→「プロパティ」をクリックします。

「フォント」タブを見るとすべてのフォントが「埋め込みサブセット」になっているということは、フォントは埋め込みができているようです。

フォントにはTrueTypeフォントとOpenフォントがあり、今回の埋め込まれていたフォントは、PDFファイルへの埋め込みは一応許可はでているけれど、サポート対象外となるとありました。
参考 Q:TrueTypeフォントとOpenTypeフォントの違いを教えて下さい。ダイナフォント

そのまま「概要」タブをクリックして確認してみると、このPDFファイルはWord2013で作成されていることが分かりました。

フォントは埋め込まれてはいるけれど、私のPCにはインストールされていないフォントを使用しているPDFファイルだからかな…と思いながらも、今回は文字データの修正は不要なので(地図挿入のみ)、これ以上深入りせずに、とりあえず地図を描くことにしました。

PDFファイルのまま保存すると相手が編集できないので地図はPNGで書き出し…

PDFファイルのどの位置にどれくらいの大きさで地図を作成すればいいかが分からなかったので、PDFファイルを直接開かず、新規ファイルを作成してPDFファイルを配置し、その上に新規レイヤーを追加して地図を描くことにしました。

PDFファイルを新規ファイルに配置しても同じように「アピアランスを保持するため、一部のテキストをアウトライン化されました」と表示されましたが、そのままにしてレイヤーをロックし、新規レイヤーを追加。

地図掲載用とされているところに地図を描き終わり、ファイル名を変えて保存するかと思ったのですが、このPDFファイルの制作にはWord2013が使われていたのを思い出し、PDFファイルに書き出す前のWordで修正する可能性があるかもしれないと思いました。

そこで、地図データのみをPNG形式で書き出して先方(地図描いてと言ってきた人にPDFファイルを送ってきた人)に渡してもらうことにしました。

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Wordで作成したファイル→PDF→Illustratorで文字編集が可能な状態にするには(代替フォントが適用されるけれど)

他の人が作成したIllustratorのファイルを開いたときにPCにないフォントは代替フォントになるのになぜアウトライン化されたんだろう…?

地図を描き終えたところで、やっぱり気になるのがIllustratorでPDFファイルを開いたときに一部のテキストがアウトライン化されること。

こういう仕事をしていると、他の人がIllustratorで作ったファイルをいただくことが多いのですが、今回のように開く前にアウトライン化されることがなく、今回が初めての事例。

そういうファイルを開こうとしたとき、ファイル内にPCの中にはないフォントが含まれている場合、代替フォントといって開こうとしているPCの中に入っているフォントに置き換えて開くことのほうが多いのです。

今回開こうとしたPDFファイルは代替フォントの確認画面が出ずに、いきなりアウトライン化されたのがどうにも腑に落ちない。

調べてみると、PDFファイルを開こうとするとき、開こうとするPCにファイルに埋め込まれているフォントがない、文字のアウトライン化がされていない場合、自動的にアウトライン化すると書かれていました。

WordでPDFファイルとして書き出すときテキストのアウトライン化はできない

Wordで作成したファイルをPDFとして書き出すとき、Illustratorのようにテキストをアウトライン化することはできません。

ん?Wordで作成したファイルをPDFにしているんだからWordで開いてみればいいんじゃない?と思い立ち、Wordから先ほどのPDFファイルを開いてみました。が、結果はレイアウトはぐちゃぐちゃだし、1ページのファイルのはずが4ページになってるし…。

ということは、Wordで「Adobe PDFで保存」を使って書き出したPDFファイルをIllustratorで開いたとしても、フォントはアウトライン化されるので文字は修正できない、画像や図形は編集できるものもあるけどすべてではない。

・・・そういえば、Wordで作成したファイルをPDFファイルにする方法としてもうひとつ、Word2016の印刷で、使用するプリンターを「Adobe PDF」に変更することでもPDFファイルを書き出せることを思い出しました。

確か、「Adobe PDF」にはプリンターと同じようにプロパティがあるので、そこで保存(書き出し)設定を変更すればいいんじゃないかと。

そういえば以前、知人にWordで作成したファイルをオンラインで入稿しようとしたら受け付けられないと言われて困っていると相談されたときに設定を変更したような…。

Wordで作成したファイルをPDFにするとき、「システムのフォントのみ使用し、文書のフォントを使用しない」のチェックを外せばIllustratorでテキストの編集は可能
※ただし、フォントがなければ代替フォントになる

Word2016でPDFにしたいファイルを開き、「ファイル」をクリック→「印刷」をクリックし、使用するプリンターを「Adobe PDF」に変更してプリンターのプロパティをクリックします。

Adobe PDFのドキュメントのプロパティ画面で「Adobe PDF 設定」タブをクリック→「システムのフォントのみ使用し、文書のフォントを使用しない」のチェックを外し、OKボタンをクリックします。

あとは、「印刷」ボタンをクリックし、保存先を選択し「保存」ボタンをクリックします。

次に書き出した(保存した)ファイルをIllustratorで開いてみました。「環境に無いフォント」画面が開いたので、フォントを検索せずに閉じてみました。

環境に無いフォントに表示されたフォントは作業しているPCにこのフォントがインストールされていないということになるのですが、このフォントはWindowsパソコンには必ずインストールされているフォント。気になるのは「Bold」となっているところ。もしかしたら、テキストに太字や斜体などの書式を設定していると別フォントとみなすのかもしれません(これは推測です)。

すると、PDFファイルの一部の文字列がピンク色で囲まれているところがありました。この部分がフォントがないので置き換えられた部分だと分かります。それ以外のテキストは削除も追加も修正もできました。

見せるだけなら互換性の高いPDFファイルは便利だけど、Illustratorでは開くことはできても編集に制限があるな

まとめると、Wordで作成したファイルをPDFファイルにして送るとき、編集可能な状態に少しでもしたいのであれば、Wordの印刷に使用するプリンターを「Adobe PDF」にして、Adobe PDFの設定で「システムのフォントのみ使用し、文書のフォントを使用しない」のチェックを外してから印刷すると、Illustratorでもテキストを編集できるPDFファイルを書き出すことができます。

ただし、これにはお互いのパソコンに入っているフォントを使わないと代替フォントが適用されてしまうのでイメージが変わってしまうというデメリットがありますが…。

今回は、PDFファイルを直接編集しなくてはいけないようなお願いではなかったのですが、気になったので覚え書きとして残しておくことにします。

「(開くことができる)ソフト持ってる?」って聞かなくてもいいから、PDFファイルって便利なんですけどね…。

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