障がい者を対象としたiPad体験教室の講師をしてみて思ったこと。

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今日は障がい者向けのiPad体験教室の講師をさせていただきました。まったくの初めてというわけではないのですが、いつもと勝手が違うところがあり緊張しました。が終わってみれば「面白かった」「またぜひやってほしい」という声を聞くことができました。

障がい者向けのiPad体験教室を担当する中で、準備中、当日と考えることがありましたので備忘録的にここに記しておこうと思います。

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事前準備

先ほども書いた通り、iPad体験教室を担当すること自体は全くの初めてというわけではありません。もちろん、障がい者を対象としたiPad体験教室を担当することも初めてではありません。

が、今回はいつもと勝手が違っていたのです。障がい者を対象とした教室や講座を担当してほしいという依頼があるときは、わたしの暮らしているところでは肢体障がい、聴覚障がい、視覚障がいとに分けて依頼されることが多いです。

ところが、今回はまったく分けず、障がいの度合いも違う、おまけに障がいのある方どうしもほぼ初対面で、iPad自体に興味があるわけではない(という触れ込み)。講師にとっては準備のしようがない、そんなご依頼でした。

到達目標を設定し、主催者と共有しておく

というわけで、教室を担当させていただくときには必ず設定する到達目標を定めるまでに思い切りのようなものが必要で。そのすり合わせを依頼者と行うのに多くの時間を割くこととなりました。

講師として、教室に来てくれる人たちに対し、ある程度の満足というか何かしら持ち帰ってもらいたいと思う気持ちがあります。だけど、上に書いたような理由で目標設定が絞りづらい状況、くわえて1人に1台というわけでもないし、iPad自体に興味や関心が高いわけでもない。

頭を抱えてしまったのは言うまでもありません。何度も何度も依頼者と打ち合わせをした結果、目標設定としては「iPadに触れてみる」「教室に来てくれた人たちどうしの交流を深める」にすることにしました。

iPad自体の操作は指を画面の上で動かすことができればいいとしました。文字入力は今回は見送りました。あとはアプリの起動と終了。時間が余れば質問タイムということにしました。

使用するアプリをあらかじめインストールしておく

iPadの使い方、と銘打ってしまってはハードルが高いかもしれないと思い、脳トレに使えそうなアプリやお絵描きアプリをいくつか、あとは自撮りアプリを1つ入れておきました。時間設定は90分。できることは限られている。

お土産と言ってはなんですが、自撮りアプリで撮影した写真をプリンタで印刷して持ち帰ってもらうことにしました。

教室配置・人員配置、会場設営

教室配置も、テーブルに5~6名程度着席してもらい、テーブルごとに職員と手伝ってくれるスタッフを配置。視覚障がいのある方、聴覚障がいのある方にはサポートしてくれる人をお願いしました。

30名程度の参加があるので広い会場を使うということで、マイクの準備もお願いしました。普段はマイクは使わないので、これも緊張を煽る…。あとはもうやるしかない。

障がい者向けのiPad体験教室、当日の様子

iPad体験教室の当日。30名+サポートしてくださる方が席につかれました。何が始まるんだろう、明らかに空気がざわざわしています。わたしのほうも初対面の人のほうが多い。完全にアウェー感満載です。

まずは、iPadという機械の紹介を少しだけ。見たことはあるかの問いに半数以上の人が「ない」と答える。アウェー感が増大。

同じテーブルの人どうしの会話のきっかけを作る

ひとりひとりにiPadを持ってもらい、重さを確認してもらいました。感想は意外と軽いが多いようでした。その時に隣の人に「どうぞ」と受け取った人は「ありがとう」と言ってほしいとお願いしました。

一声出せば会話のきっかけになりやすいです。その時に「意外と軽いよ」とか持ちにくそうにしている人にすっと手を貸してくれる人がいました。「ありがとう」がいっぱい聞こえてきました。

空中でiPad操作に必要な指の動きを確認

ではいよいよ操作…といきたいところですが、その前に指の動きを空中で練習しました。親指と人差し指をくっつけたり離したり、人差し指を立てて上下左右に動かしたり。操作というと実はこれだけなんだよとお伝えしました。

え?そうなの?とそのあたりから隣の人や同じテーブルの人と笑いあったり、おしゃべりしはじめたりが始まりました。うん、いい調子だ。

お絵描きアプリでリレーお絵描き

「では、ちゃんと指を動かす練習をしたかどうかテストします」といって各テーブルごとに代表者をじゃんけんで決めてもらい、お絵描きアプリを起動してもらいました。

「白い画面に指で1本線を引いてください!曲がってもいいです!」

線が描けたら次の人にiPadを渡してもらい、次々と線を1本ずつ足していってもらいました。ただ線を描くだけじゃないです。前の人が描いた線を活かして何かの絵を仕上げる。これがお絵描きアプリの課題です。相談は無しです!と言うと、「ええ!?」という声。

そこからはどうにかして「絵」に見せなくちゃいけなくなったということで後に周れば周るほど難しくなっていくからか、「次はわたし!」と率先してiPadを受け取る人が…。

先ほどまで恐々とiPadに触れていた人が率先して受け取るようになり、相談はしないというこちらからの課題をうまく解釈して、ヒントを出すというテーブルまで登場。

iPadの画面をのぞき込みながら盛り上がってくれました。描けた絵を代表者の人が想像力を大いに発揮し、マイクを使って説明をしたところでいったん休憩。

この時間に移動がてら各テーブルにあるiPadをのぞき込み、またそこで会話が生まれました。いい調子です。

脳トレアプリ、自撮りアプリで遊ぶ

あとは、脳トレアプリを使って遊んだり、自撮りアプリで写真を撮りあいました。ここで、ひとつ気付いたこと。写真を撮るというと嫌がる人が多いのですが、自撮りアプリだとウサギの顔になったり、とんでもないメイクになったりするせいか面白がってくれて自分で写真を撮ることができていました。その様子を見てまた周りの人も大笑いして。

最後に、「最初、何させられるの?って思って人手を挙げて」と言ったら「はい!」と元気よく手を挙げてくれました。じゃあ、いまはどう?と聞くと「意外と簡単」「面白い」「もっと触りたい」と大きな声で言ってくれました。ホッとしました。目標達成というところかな。

わたしがこの教室の講師を引き受けた本当の理由

実は、わたしには裏の目的がひとつありました。それは、普段障がいのある方と触れ合う機会が多い人に対して、iPadとはこういうものだということを知ってもらいたいというものでした。

知ろうとするか知るまでに判断してしまうか

障がいのある人本人がiPadを手に入れたいと思ったとしても、サポートしている側の人に抵抗がある場合も実はあって。反対に、サポートしている側の人がiPadを使ってほしいと思っても障がいのある人のほうが抵抗することもありますが。

でも、それはどちらが悪いというわけじゃなくて、iPadもそうですがITという技術に対する認識に差があるだけ。いまの暮らしで事足りているところに新しい何かを追加するというのは障がいの有無にかかわらず、大なり小なり抵抗があるのは当たり前なのです。

もしも、サポートする側される側が新しいものに対して共通の理解ができていれば、お互いの立場で考えることができる。選択することができる。

記憶力は衰えるかもしれないけれど考える力は鍛えられるのでは

個人的な考えになってしまいますが、人として考えること・選択することって大きな「権利」だと思うのです。記憶力は年を重ねれば衰えていきますが、考える力までもが衰えていくことはない。考えて選択することを繰り返すことで力は維持できると思っています。

確かに新しいことには不安もありますし、サービスが多様化し過ぎてそれらすべてを理解して選択するというのは難しい時代です。わたし自身も毎日が勉強です。知らないことだったり理解が進んでいないことだってたくさんあります。

最善を選択したい、損をしたくない。そう思うのは当然です。
使いこなせないものに料金を支払うなんてもったいない。それも当然です。

でも、その考えに至るまでに「知る」ということを取り入れてほしいと思うのです。知ってから決めればいい。自分で決めたら何があってもぶれることはない。もし、そのときに何か問題点があると思ったのなら、それがクリアできればできるかもしれないという目印ができる。

何も知らずに「無理」「無駄」と決めつけるのはもったいない。こういう機会をできるだけ作り、まずは知るというところをお話できるようにしていくことも、もしかしたら自分の仕事なのかもしれないとも思いました。

ホームページ開設・運用、リニューアルのご相談や、SNS・ブログの運用サポート、市民活動団体のIT活用提案・サポート、Webライティングを行っています。
また、県内各所にてパソコン操作講習会やSNS活用セミナーなどの講師もしています。

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