フリーランスで仕事を始めると決めたとき、初めに作ったのは名刺でした。
今までは名刺を作るなら印刷業者にお願いするのが当たり前でしたが、名刺用の用紙とプリンタがあれば自作できる時代です。インターネット上でデータを入稿すれば印刷して配送してくれるサービスもあります。
フリーランスの名刺づくりのいろいろ。
名刺を作るのに決まり事はない
名刺を作るのに決まりごとがあるのかと、名刺デザインを請けるようになったとき調べてみたことがあるのですが、名刺を制作するうえで決まりごとのようなものはありませんでした。
名刺用紙のサイズは?
印刷業者に名刺印刷を依頼するとサイズについて聞かれます。
名刺サイズは「長辺91mm×短辺55mm」が一般的ですが、それ以外のサイズもオーダーメイドできます(ただし、定型ではないので若干お値段は高め)。
最近は少なくなりましたが、女性用名刺という用紙サイズもあって、定型より一回り小さいものです。今はそんな分類はなくなったようですが。
名刺用紙の種類について
印刷会社によると思いますが、マット紙、光沢紙、上質紙が代表的なものではないかと思います。
- マット紙…光沢がない。他の種類に比べ色が若干くすんでいるように見えるけれど、それが落ち着きを表現している
- 光沢紙(コート紙)…光沢がある。色鮮やかな印刷。名刺に写真を入れるならおすすめ。メモ書きはしづらいかも。
- 上質紙…定番。他の用紙に比べて安価。大量に名刺が必要な人におすすめ。メモ書きしやすい。
名刺の厚みについて
用紙の厚みは~mmではなく~kgと呼んでいます。
身の回りにあるものではハガキと比べて厚みがあったほうがいいのか、同じくらいでいいのかというところで判断するといいかもしれません。
ちなみに、ハガキと同じくらいであれば180kg、もう少し厚みがほしいというのであれば220kgくらいがいいんじゃないかと思います。
名刺の厚みが薄すぎてしまうと
名刺入れの中で折れてしわになってしまうし、手に持った印象が軽いので相手に与える印象も軽くなってしまうような気がします。
名刺の厚みが厚すぎると
名刺入れの中に枚数を入れられず、名刺の補充が頻繁になるし、名刺を渡されたほうも名刺入れの中でかさばるので印象が悪くなるような気がします。
オフセット印刷?オンデマンド印刷?
印刷方式には「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」というのがありまして。どちらがいいというのではなく、どちらにもメリット・デメリットがあります。
まず、オフセット印刷というのは初めに印刷の原本となる「版」を作り印刷する方式。反対にオンデマンド印刷は「版」を作らず直接データをプリンタに送って印刷する方式。
初めに「版」を作るオフセット印刷は大量の印刷に向いていて、「版」を作らずデータをプリンタに送るオンデマンド印刷は小ロット印刷に向いています。
また、使える色に違いがあります。オフセット印刷はCMYKもDICカラーも使えますが、オンデマンド印刷はCMYKしか使えません。
納期から見ると、オフセット印刷は「版」を作るのでその分納期がかかり、オンデマンド印刷は「版」を作らなくていい分、短納期です。
もし、名刺に写真を入れるのであればオフセット印刷のほうがきれいに印刷できますが、100枚程度の印刷を依頼するとオンデマンド印刷より割高になります。
名刺をデザインするうえで入れるべきものはなんだろう
名刺をデザインするうえで必ず入れておくべきものと別に要らないんじゃないかというものがあるように思います。
名刺と言えば当たり前ですが、その人の氏名は間違いなく必要だし、読み仮名も入れておくといい。
それから、郵送物などの関係で、会社の郵便番号や所在地、連絡先も間違いなく必要…なのですが。
連絡が取りづらいものは名刺にいれなくてもいい
フリーランスの場合、固定電話を持つことは少ないかもしれませんので固定電話より携帯電話の番号を入れるだけでもいいかもしれませんね。
あとはメールアドレスも入れたいですが、フリーメールアドレスを入れている人が多いような…。できれば、プロバイダのメールのほうがいいような気がします。フリーメールアドレスだといつでも変更できますしね、なんとなく仕事相手としてどうかな、と思う人もいるみたいです。
ホームページを持っているなら必ず入れておきましょう。最近はスマホで情報検索する人が多くなったのでホームページのアドレスをQRコードにして入れておいたほうがいいですね。
FacebookやLINE、Twitter、Instagramなどのアカウントも入れておくと、名刺をもらった人があなたに連絡を取る手段が増えます。メールアドレスをわざわざ入力するより、SNSでアカウントを検索するほうが早いですものね。
そうか、連絡する手段を増やすためにSNSアカウントをいっぱいいれておいたほうがいいのかと、たくさん入れている人がいますが、あまり更新されていないSNSアカウントであるなら名刺にいれないほうがいいと個人的には思います。
名刺に顔写真や似顔絵を入れたい人が増えている
最近、顔を覚えてもらいたいからだと思いますが、顔写真や似顔絵を名刺に入れたいというご依頼が増えてきています。
顔写真を名刺に入れたいと考えるのであれば、正面から撮影したもの、左右から撮影したものを準備いただけるとありがたいです。
欲を言えば、背景がごちゃごちゃしていないほうがありがたいし、周囲にある程度の余白があるような写真だと加工しやすいので助かります。
似顔絵だと最近流行りの「ココナラ」で描いてもらうというのも手ですね。
できれば大きめのサイズ(A4くらい)で描いてもらうといいと思います。あまりに小さ過ぎると他に使い回す(チラシとかパンフレットとか)ときに拡大すると画質がぼやけてしまいます。
フリーランスの名刺に入れたほうがいい「何ができる人」
名刺は小さいですので、上に挙げたような情報を入れるだけで用紙サイズいっぱいになりがちです。
だけど、フリーランスの人が持つ名刺には「あなたは何ができる人」なのかを必ず入れておきましょう。使うことができるソフトの名前なんかも入れておくといいかもしれません。
屋号だけでは「何ができる人」なのかが伝わらないかもしれないので…。
名刺を自分で作りたいならネット印刷会社で
そうはいっても人に依頼するんじゃなくて自分で名刺を作りたい人もいますよね。そんな人におすすめしたいネット印刷会社を2つご紹介しておきます。
どちらも名刺テンプレートを選択し、Web上で中身を書き換えたり写真やロゴをアップロードしたりできてそのまま入稿、印刷、郵送してくれます。
また、Illustrator用のテンプレートをダウンロードして名刺を作成できます。テンプレートはあらかじめ入稿用にできているので失敗なく入稿できます。もちろん、オンライン入稿に対応しているので印刷依頼から受け取りまで1週間もあればOK。
「印刷の通販グラフィック」
わたしが初めて利用したネット印刷会社が業界最大規模の品揃えを誇る“プリント・メガストア”。 「印刷の通販 グラフィック」さん。
Illustratorのテンプレートがダウンロードできますので、細かい設定が不要。名刺制作にすぐに取り掛かれます。データの入稿もインターネット上で行うことができます。
大体1週間程度あれば手元に名刺が届きます。PDFでの入稿だとさらに時間を短縮することができます。
ちなみに、Microsoft Officeのソフトで作成したデータも入稿できるのでIllustratorやPhotoshopなど高価なソフトを持っていなくても、WordやExcel、PowerPointで作成できるのであれば、印刷のみを依頼することができます。

ウェブ上でデザインを選んで名刺を作ることができるグラフィック・ビズを使うと、テンプレートを選び、中身を入れ替えるだけで名刺が完成します。
使いやすいデザインが選択できるようになっていますし、両面に印刷できる名刺も選択できます。ご自身の持つ写真もアップロードすれば使用できます。

名刺印刷を格安で。「ラクスル」
こちらはまだ使ったことがないのですが、テレビCMなどでよく耳にする人も多いかもしれない「ラクスル」さん。
こちらもオンライン入稿が可能、無料で使えるテンプレートもたくさんあります。
こちらで興味深いのが価格もそうですが、チラシ印刷+新聞折込。最短で3日後に新聞に折り込んでくれるとか。それも地図で該当エリア、折り込みたい新聞を選ぶ、という流れのようです。
フリーランスの名刺についてのまとめ
フリーランスになったら名刺を準備しますが、名刺ひとつとってみてもいろいろ考えることがあるんですよね。名刺を人に作ってもらう、会社に依頼するにしても自分にとっての名刺はどんなものがいいのか、デザインは?文字の大きさ・配置は?色は?…。
ネット印刷なら少部数の印刷にも対応してくれるので、一度名刺印刷を依頼してみて、使ってみて足りないことや書き過ぎていることなんかも名刺を渡すときに聞いてみるといいかもしれませんね。
名刺もホームページと同じで、一度作って印刷を繰り返すだけというのはもったいないです。せっかくの販促ツール?でもある名刺を有効に活用できるよう、育てていくのも面白いんじゃないかと思います。