この時期になると、お子さんの入園や入学を機に働き始めようかと考えるママから「採用条件にある『基本的なパソコン操作ができる方』とあるけれど、どれくらいのパソコン操作スキルってどれくらいあればいいんでしょう」という相談が増えてきます。
就職の応募条件に書かれている「基本的なパソコンスキル」は曖昧なもの
実は、あまり大きな声では言えませんが、数年前まで職業訓練校の非常勤講師をしていた関係で、採用側、採用される側からもご相談を受けることがあります。
まずは、採用される側の声ですが、それは先ほども書いた通り、採用条件に書かれている「基本的なパソコン操作」というのが曖昧過ぎて、どれくらい出来ればいいのか。また、WordやExcelなどソフト名を明記されている場合、WordやExcelのどの程度の操作ができればいいのかというのも分かりにくいというのがあります。
パソコン操作の基本。どの程度分かっていればいい?
これはその地域によっても違ってくる、とは思いますが、基本的なパソコン操作と書かれている場合は、文字入力は当たり前にできていてほしいだろうし、ファイルの操作ができるというのもあるだろうし、メールや検索程度はできてほしいのではないかと推測できます。
ざっくりとした話ですよね。これも企業によって全然求められているスキルというのは違っているのがよくある話で。
そんなときは受検するかしないかは別にして、パソコン操作全般を広く浅く知ることができるテキストとして「P検」という検定のテキストがいいんじゃないかな?と個人的には考えています。
応募条件に書かれている「WordやExcelの基本操作ができる」とは?
そして、WordやExcelなどソフト名を明記している場合ですが、これは難しいですね、判断が。WordやExcelの基礎ってどの程度なんだろう…。これはもう面接の際に話を聞くのが一番手っ取り早いのですが。
そうはいっても…という声もあるので、非常勤講師をしていたときに使っていたテキストをご紹介することが多いです。
これはMOS(Microsoft Office Specialist)という検定試験を受検するためのテキストなのですが、このテキスト程度のことがテキストを見ずにできるようになっていれば…と話すことが多いです。
上に挙げたテキストに書かれている程度のことが理解でき、操作もでき、誰かに指示されたとしても対応できるようになっていれば最低ラインはクリアできるんじゃないかと個人的には考えます。
しかし、これも地域性や職域に左右されるのでこれで大丈夫!と胸をはっては言えないんですが。なかなかこれが難しい…。
とはいえ、パソコン操作のスキルが高ければ採用されるというとそうでもないのが現実だったりする
とはいえ、パソコンスキルだけが採用の決め手になっていることはほとんどないです。現に、わたしが職業訓練校で担当した生徒さんの中でパソコン操作のスキルが高いにも関わらず採用に至らなかった人もいたし、パソコン操作のスキルが低いけれど採用がすぐに決まったりすることもありました。
どんな人が採用されやすいのかというのは、採用面接をする側になっていないので、何とも言えないけれど、採用する側の人とお話をしていて感じたことを少し書いてみたいと思います。
ママになって初めての採用面接の現実と考えたこと
まず、採用されたいからとできもしないことを「できます!」という人は採用されにくいとのこと。採用面接をする側もそれは分かる、と言っていました。反対に自信なさげな人も採用するかしないかを迷うとおっしゃっていました。
この話を聞いて感じたのは『正直な人』『誠意のある人』は採用されやすい。
今ではフリーランスで仕事をしているわたしも少なからずこの採用面接を受けた経験はあります。これも地域性や職域によるとは思いますが、働き始めようとしたときに受けた面接はことごとく落ちました(笑)
それはたぶん、いろんな理由があると思いますが、上に書いたように「できます」「働けます」って話していました。
特に、核家族で子どもが体調を崩したとしても見てくれる親がいなかったのに、「大丈夫です」とか言ってしまった。大丈夫かどうかは言えないですよね。ぜったい大丈夫じゃないです。でも、採用されたくてそう言ってしまった。
で、ある日思ったのです、正直に話してそれでもいいと言ってくれるところで働かせてもらおうと。
そこで、ハローワークの人といっぱいお話をしました。自分が置かれている環境と合いそうな応募先を探してくれて、採用側としっかりお話をしてもらったうえで面接してもいいよというところに絞っただけで、採用していただくことができました。
今はネットでバイトやパート先を簡単に探せる時代ですが、わたしが子どもの母親になったころの状況はネットなんてありませんでしたから、やっぱりハローワークは頼りになる相談先だったなと思います。
応募条件に「パソコン操作ができる人」と書いている採用側と話をしたときのこと
話が逸れてしまいましたが、パソコン操作ができる人と応募条件に明記する側、採用側の声に戻りましょうか。
非常勤講師として採用面接に直接関わることはあまり多くはありませんでしたが、採用側の人とお話させていただくことはありましたので、何度か「応募条件に書かれている『パソコン操作の基本』というのはどの程度の操作スキルを言うのでしょうか」と伺ったことがありました。
具体的に「これくらいパソコンを操作できてほしい」という話をしてくれた人はいませんでした。「グラフが作れたら」とか「文書が作れたら」とか、漠然としたものがほとんどでした。
ここからはわたしの主観ですが、現場でパソコンを使って業務を行っている人=採用面接をする人というのは少なくて、現場がどの程度の操作スキルを欲しているのかを把握していないことがほとんどなんじゃないかと。
ということは、「わたしはパソコンに詳しくない」と応募条件を目にして怯むくらいなら、まずは応募してみる!面接で話してみるというのがいいんじゃないかと思いました。
もしも、業務に携わっているときに分からないことがあったとしても先輩に教えてもらう、自分で本を買って調べる、検索して調べることができればいいんじゃないかと。
検定受検で分かるようになったことやできるようになったことが即業務に活かせることってないと感じる理由
検定に合格したからと言って、即、業務に活かせることってそうないのが現実です。テキストに書かれていることや検定に出てくる課題は、あくまでも、そのソフトの操作ができるというだけ、なのです。
勉強したパソコン操作スキルが活かせるようになるには、業務を理解し、それに見合った操作スキルを組み合わせることができるようになってからです。
たまにいるんですが、自分の知っている操作方法と業務で使用している操作が違っていることってよくあるのですが、それを”勝手に”変えてしまう人。
業務に使用するファイルはすべての業務に関連があって、1つのファイルを勝手に変更してしまうことは他のファイルが動作しなくなったりエラーが出たりすることがあります。
上司や先輩に相談もせずに、勝手に変更する人、意外と多くて。たとえそれが効率的だったとしても、それは望まれないことかもしれません。
業務ソフトを利用している場合はそういうことはほとんどないですが、特にExcelファイルは計算式の関係だったり、ファイル間のリンクだったりがあるので、単独で動作している場合を除き、手出し無用!です。
採用条件にある「パソコン操作のできる人」についてわたしなりにまとめてみるとこうなる
採用条件にあるパソコン操作に関するものは多くの場合、WordやExcelが操作できればその他のこともある程度理解しているだろうと、掲載されていることが多いようですので、具体的にどの程度というものは正直、面接のタイミングで質問するしかないかもしれません。
が、その前にできることというと、棚卸しというのでしょうか。自分が今までどんなことをパソコンを使って操作してきたかというものを示すことができるようにしておくとか、最低でも自宅あるいは前職で使用していたOSやアプリケーションソフトなどが言えるようにしておかれるとよいのではないでしょうか。
あと、個人的にはメールの送受信、添付に対する知識、ファイル名、拡張子、署名などについて理解できていたほうがよいと思います。それから入力スピードも遅いよりは早いほうが業務を効率化できると思うので、タイピング練習もおすすめです。
ちなみに、タイピング速度の判定によく使っていたのがe-typingの腕試しチェックです。

いろいろ書きましたが、まとめきれていませんね。何か思い出したら追記していきます。